用 と 美

生活文化を貫いた美意識

簡素な屋根、柱と障子だけで造りだす「桂離宮」は雨と風をしのぐだけの建物に見事な美をつくり出しています。この簡素に見せるためには屋根組は複雑な技法が採用され人工的な余分な装飾は、そぎ取られています。そこには「用を満たせば美になる」と言う美を見出そうとする意志が伺えます。まさに自然の形態を受け入れた美の追求でした。秋山の総桐箪笥も「用の具」に余分な付属品を加えず「本物の用の形と美」を大切にして、何代にも渡り家と共に生きつづけるモノつくりをしています。

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